開催主旨
本庄国際奨学財団設立20周年記念国際シンポジウム
公益財団法人本庄国際奨学財団は設立20周年を迎えることを記念して、平成29年8月に20周年記念国際シンポジウムを開催する運びとなりました。本庄国際奨学財団は平成8年12月25日に設立され、これまで70か国以上600名を超える方々に奨学金を授与してきました。20周年の機会に世界中で活躍する同窓生が東京で一堂に会し、旧交を温めあう同窓会、そして「平和な国際社会の未来の姿」を見据えた研究発表、活動発表をおこなう国際シンポジウムを開催いたします。

この国際シンポジウムの目的は、日本や海外の大学院での研究生活を経験した本庄国際奨学財団の同窓生の研究、社会活動の発表を通して、本庄国際奨学財団の果たしてきた過去20年間の社会的役割とともに国際社会の変化を振り返ります。本庄国際奨学財団の設立の目的は「より優秀な技術と高度な能力を身に着けようとする学生に対して奨学援助し、学んだ技術と心が将来国際社会で発揮され、日本と諸外国との心の文化の懸け橋になること」です。奨学生のひとりひとりが、どのような未来を想像してそれぞれの研究に勤しんだのか、学位取得後よりよい社会を築くためにどのように社会とかかわってきたのか、という視点から過去を振り返り現在を見つめます。そして次の20年先の未来について一緒に考えます。どのような社会になってほしいか、それぞれの携わる研究が20年先にはどのように発展し応用され社会に活かされているのか、未来図を描いて意見を述べ議論を交わしたいと思います。本庄国際奨学財団の20年間の同窓生は、研究分野、国籍、年代とも多様です。まさに国境を越えた大きな家族を形成しています。本庄ファミリーのメンバーは、このような環境の中で留学し研究をし、多様性を寛容に受け入れ、お互いを思いやり、協力を惜しまない心を育んでまいりました。この20周年記念シンポジウムは、それぞれの研究分野や体験を発表し、異なる専門家よりフィードバックを受け、たくさんのアイデアをぶつけ合って新しいアイデアを創生する場となることでしょう。設立20周年の節目に本庄ファミリーのメンバーが一緒に少しだけ立ち止まり、過去・現在・未来を見つめ、これからの自分、これからの研究、これからの社会のビジョンを描き、平和な国際社会を築くための現実的な方策について考え、希望を共有したいと思います。

「日本を好きになってほしい。」財団を設立した本庄正則、本庄八郎の信念であり、20年間受け継がれてきた言葉です。日本を好きになってくれたでしょうか。海外の人に日本のことをきちんと説明できたでしょうか。母国で日本のファンを増やしてくれたでしょうか。「日本に留学してよかった」「海外留学してよかった」という具体例を持ち寄り、さらに社会情勢とともに変化する留学事情、教育事情を踏まえて、様々な場面で指導者となった元奨学生が留学、教育の現状の問題点とこれからのあるべき姿についても議論し、「日本留学」「海外留学」の促進にも貢献したいと思います。